本拠点について
理念
静岡県の生物産業を飛躍的に発展させるために地域産業界と静岡大学が連携し、研究者のネットワークを強化して生物の持つ様々な機能を高度に利用した新技術・新分野を創出するための基礎的、独創的な産学共同研究を行う。この成果から地域からも先端産業が発信できる新たな生物産業基盤の構築を目指した、国際的バイオ拠点創りを目的とする。
概要
本拠点では、時勢に合う年間テーマを設定し食品・バイオ産業を牽引する研究者の講演会や会員相互の成果発表会を行うことはもとより、産官学のシーズとニーズとを相互に発表し合うビジネスマッチングを実施している。さらに学生には一連の講演などを大学院特別講義として開講すると共に、発表の機会を与えキャリア支援の場としても活用している。そのような活動の中で、地域産官学連携における“知の拠点”としての役割を果たしている。
組織
本拠点は静岡大学内の学内会員(農・工・理学部教員)と企業会員(27社)から成り、代表幹事1名と副代表幹事2名、会計幹事1名、幹事18名を選出している。事務局では静岡大学教員(農学部)と静岡大学イノベーション社会連携推進機構のコーディネーターが、地域との連携(静岡県経済農業協同組合、静岡県工業技術研究所、新産業開発振興機構、静岡市商工会議所、静岡県食品技術研究会、静岡県食品産業協議会など)を調整する。
特徴
静岡県は、500 kmの海岸線を抱え気候も温暖なことから、陸上のみならず海洋にも特徴的なバイオ資源を有しいて地域に根ざした食品・バイオ産業が集積している。
農産物は、日本一の茶、ミカン、ワサビの他にイチゴなど柑橘、キノコ、花卉など種類も多彩で国内有数の生産地であり、水産物においても焼津、清水などはカツオやマグロの水揚げでは日本有数で、清水、田子の浦港は様々な食料資源の輸入基地となっている。
一方、食品・生物産業を支える研究ポテンシャルとしては、静岡大学を中心に、近隣には浜松医科大学、静岡県立大学、東海大学、農研機構の茶業研究部(金谷)と柑橘研究拠点(興津)、静岡県工業技術研究所など国公私の研究機関が集積している。
静岡大学は、静岡と浜松に二つのキャンパスに分かれ、人文・教育・理・工・農・情報の6 学部と2 研究所で構成され、学生数(大学院を含む)は一万人を超えた総合大学であり、バイオサイエンスの基礎から応用まで幅広い教育と研究を行っている。昔から天・地・人という言葉があるように、時代はまさにバイオ産業に追い風であり(天の声)、全国的に有数の食・バイオ産業と静岡大学の蓄積した研究ポテンシャルを有し(地の利)、地域社会の賛同を得て(人の和)、新しい地域食品・生物産業の拠点創りには最適な条件である。このように静岡大学食品・生物産業創出拠点は、大学の“知の拠点”としての役割を果たす地域基幹産業発展の場となる。。特筆すべき成果として本学会員のシーズ研究を基盤にして”イチゴ炭素病予防農業用資材” と“高温乾燥による植物環境ストレス耐性向上資材”との二つの開発研究が、実際に実用化されたことが挙げられる。